【がん検診のすすめ】大腸がんになる寸前だった私を救った大腸がん検診

【がん検診のすすめ】大腸がんになる寸前だった私を救った大腸がん検診

がんの中でも、大腸がんは死亡数が多いがん。

私も、大腸がん検診を受けていなかったら、がんになっていたかもしれないのです。

大腸がんになる寸前だった私を助けてくれたのが、大腸がん検診と大腸内視鏡検査。

大腸がん検診と大腸内視鏡検査に感謝を込めて、大腸がんとがん検診のおはなしをさせていただきます。

この記事を、ぜひ読んでいただきたいのは

♫♫ おすすめの方 ♫♫
  • 健康でいたい方
  • がんを予防したい方
  • がん検診について知りたい方
  • 40歳以上の方
  • 看護学生さん

大腸がんになる寸前だった

まさに「医者の不養生」。

私の経験談にすこしおつきあいください。

51歳のときです。

職場の健康診断があって、検便の提出をもとめられました。

検便の検査は、大腸がんのスクリーニング検査です。

通常2本の検査キットをもらい、2日間の便で検査をおこないます。

キットに内蔵されているスティックで便を何カ所かこすり、スティック内の試薬に収めて提出します。

ただこれだけ… 実に簡単な検査なの。

検査結果は、陽性。

もめん
もめん

えぇぇ!
2本とも陽性!!

私は、普通便の快便。

陽性反応はとても信じられませんでした。

肛門からの出血かな・・

とも思いましたが、同僚はだれもが大腸内視鏡検査をすすめます。

そうだよね。

あたりまえだよね。

陽性なら受けるべきですよね。

大腸内視鏡検査は、肛門から大腸内視鏡ファイバーをいれて、大腸のなかを観察する検査です。

私は当時、内視鏡検査専門のクリニックに勤務していたので、日々、患者さんの腸のなかをみておりました。

大きな毒々しいがんや、腸の壁を一周するほどに広がるがんなど、さまざまながんを眼にしておりました。

な、の、に・・自分自身の腸のなかをみたことは一度もありません。

「灯台下暗し」とは、まさにこのこと。

半世紀も生きてきたのだから、何かしらあるだろうなぁ・・

自分の腸のなかにがんが広がっていたらどうしよう・・

はじめて、恐怖に襲われました。

手遅れでないことを願い、私は思いきって大腸内視鏡検査を受けることにしました。

そして、検便検査に感謝する事態とあいなったのでございます。

なんと大きく育ったポリープが、横行結腸に見つかり、唖然…

なんということでしょう。

自分の腸に、やや大きめのポリープができていたなんて。

大きさ14×8×8㎜+4×4×3㎜のポリープを切除して、クリップ3本で縫合。

大腸内視鏡検査でポリープ切除
実際の検査報告書から抜粋。私のポリープです。

組織検査の結果は、心配ないポリープであったので一安心でした。

しかし医師曰く、ほっといたらがん化する可能性は大であったと。

ゾゾー

いままで不謹慎にも、検便検査のことあまり信用してなかった私。

検便検査、すごいじゃん!

看護師なのに…軽視していたことを猛反省。

検便によるがん検診のありがたみを、ひしひしと感じた日となりました。

依然として、がんで死亡する人は多い

私は運がよかったのでしょうか。

分かれ道はどこにあるのでしょうか。

大腸がんの初期段階では、一般的に症状はありません。

下血をしたり、便が細くなったというような症状がでたら、がんはかなり進行している状態です。

やっぱり検査をしたことで、私は救われたのです。

がんに移行する前にみつけられたのですから。

厚生労働省は、国民の2人に一人ががんになり、3人に一人ががんで亡くなっているといっています。

国立がん研究センターの最新がん統計によると

2018年にがんで死亡した人373584人
男性218625人
女性154959人

国立がん研究センターがん情報サービス 日本の最新がん統計まとめ参照

2018年にがんで死亡した人は373584人。

性別不詳があるため男女の合計が総数と一致していませんが…

内訳は、男性218625人。女性154959人。

部位別にみてみるとどうでしょうか。

死亡数の多い部位で、大腸がんはトップ3に入っています。

男性では3位、女性ではトップ、男女合わせると2番目に多いがんです。

1位2位3位4位5位
男性肺がん胃がん大腸がん膵臓がん肝臓がん
女性大腸がん肺がん膵臓がん胃がん乳がん
男女計肺がん大腸がん胃がん膵臓がん肝臓がん

国立がん研究センターがん情報サービス 日本の最新がん統計まとめ参照

今まで多かった胃がんは、男女とも減少傾向です。

なぜかしら?

胃がんの主な原因は、ピロリ菌の感染!

近年、ピロリ菌の除菌治療がさかんに行われるようになったのですね。

だから、ピロリ菌に感染するひとが年々へっているので、胃がんは減少傾向なのです。

なるほど…

その反面、肺がんと大腸がんが多くなっているのがわかりますね。

大腸がんが増えているのはなぜなのでしょうか。

大腸がんの増加の原因

大腸がんの増加の原因は、生活習慣にあるといわれています。

脂肪をたくさんとったり、ベーコンやハム、ソーセージなどの加工食品をとる機会がふえました。

一方、食物繊維や発酵食品をとることが減っています。

このような食生活の欧米化が、大腸がんの原因であるといわれています。

なぜ欧米化の食事だとがんを発生しやすいのでしょうか。

それは、脂肪の摂取量がふえると、腸内で発がん物質がつくられるからです

脂肪をたくさん摂ると、消化を助けるために胆汁酸がおおく分泌されます。

大腸に到達した胆汁酸は、大腸の中にいる悪玉菌によって発がん物質へと変化します。

このように、脂肪が多い食事ばかりしていると、胆汁酸の分泌量を増やし、腸内の悪玉菌を増やすという二つの理由からがんになりやすいのです。

★大腸がん増加の原因★
  • 食生活の欧米化
  • 脂肪の摂りすぎ
  • 肥満
  • アルコールの飲みすぎ
  • 運動不足
  • 喫煙

肥満やアルコールの飲みすぎが、大腸がんの原因であることも明らかですよ。

そして、飲酒やタバコによって、大腸がんが発生する危険性が高まるともいわれています。

大腸がんを予防するためにできること

では、大腸がんを予防するために、私たちが気をつけることはどんなことでしょうか。

★大腸がん予防おすすめ★
  • 和食をとりいれバランスの良い食事
  • 食物繊維や発酵食品を食べて善玉菌をふやす
  • 脂肪を摂りすぎない
  • 肥満にならない
  • アルコールの飲みすぎに注意
  • 禁煙する
  • がん検診をうける

食生活や生活習慣に気をつけることが大切です。

排便異常を感じたら、はやめに専門病院を受診しましょう。

がんは、早期発見・早期治療です。

そして、がん検診を受けましょう。

大腸内視鏡検査もおすすめです。

日常の幸せ

がん検診の受診率

大腸がんに限らずがんを予防するには、がん検診を積極的に受けることですね。

厚生労働省は、がん検診を受けることで、がんによる死亡をいまよりも減らすことができるといっています。

ところが、日本では、がん検診の受診率は40%程度

諸外国の70~80%程度に比べるとかなり低い受診率になっています。

これだけ多くの人のいのちを奪っているがんですが、人びとの意識は低いままです。

私は、大腸がん検診でがんの卵を見つけてもらったと思っています。

がん検診を活用しましょう。

若い女性にも、乳がん検診や子宮がん検診を積極的に受けてほしいです。

子宮頸がん検査や肝炎ウイルス検査は、20歳からでも受けられます。

がん検診

市町村によって健診の受け方はそれぞれ違いますので、市町村が発行している「健診まるわかりガイド」などを参考にして検査を受けてください。

検査についてわからなければ、市町村の健康づくり推進課や保健所に問い合わせるとよいでしょう。

次のようながん検診がおこなわれています。

★がん検診★
  • 子宮頸がん検診
  • 乳がん検診
  • 胃がん検診
  • 大腸がん検診
  • 前立腺がん検診
  • 肺がん検診

そのほかに、骨粗しょう症検診や歯周病検診などもおこなわれています。

今後に期待できるがん検査

長年の研究によって、がんがあるかどうかを簡単に検査できる方法が開発されています。

★今後に期待できるがん検査★
  • 線虫によるがん検査
  • マイクロアレイ血液検査

線虫によるがん検査

線虫によるがん検査です。

体長1㎜ほどの線虫とよばれる生物。

がん細胞特有のにおいが、線虫のえさとなる細菌のにおいに似ていて、線虫が、がんである人の尿に集まることを利用しています。

尿1滴で、がんの有無を8割以上の高確率で判定できるのです。

すでに一部の医療機関で検査できるようですよ。

費用は、1回 9800~10000円

15種類のがんで、早期がんも含めて、がんがあるか無いかを判定します。

ただし、気をつけないといけないことがあります。

それは、今の時点では、どのがんであるか特定はできないということ。

がんが「ある」か「ない」かをふるいにかけるスクリーニング検査としては有用ですが、「ある」と判定された場合は、どのがんであるかを一つ一つ検査していかなくてはなりません。

がんを特定できるように、今、研究中だそうです。

マイクロアレイ血液検査

わずか5㎖の血液で、13種類のがんを判定するマイクロアレイ血液検査。

大腸がん、胃がん、肺がん、乳がん、前立腺がん、食道がん、肝臓がん、胆道がん、すい臓がん、卵巣がん、膀胱がん、肉腫、神経膠腫

の13種類のがんが分かります。

血液中には、およそ500種類の「マイクロRNA」という物質(核酸)が流れています。

その中で、がん細胞が放出する「マイクロRNA」をみつけます。

がんのタイプによって、放出する「マイクロRNA」の量や種類が異なるため、どのがんが体の中にあるかが分かるのです。

凄いですね。たった5㎖の血液からわかっちゃうなんて…

いまも実用化に向けて研究が続けられています。

先行して極一部のクリニックで、検査をしているところもあるようですが、お値段がべらぼうに高いです。

国民の多くが、この素晴らしい検査を受けられることができたら、がんに苦しむ人は大幅に減るでしょう。

一日も早く、マイクロアレイ血液検査の恩恵をうけられることを願います。

【がん検診のすすめ】まとめ

がん検診は、受けた方が良いですよ。

看護師という仕事柄、多くのがん患者さんと接してきました。

がんと分かったときには、かなり進行していて、あっという間に亡くなられる方もいます。

がんがすすんでしまうと、私たち医療者も治してあげられないのです。

抗がん剤治療をされている方の辛さも、ひしひしと感じています。

なんとか元気な体に戻してあげたいと思いますが、がんは手ごわい恐ろしい病気です。

医療の現場を退いた私にできることは、がん検診を受けていただきたいと呼びかけること。

今日は、私の経験からがん検診の大切さを感じていただけたなら幸いです。

最後までお読みいただきましてありがとうございました。

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