【看護師直伝】大腸内視鏡検査うけたくない4つの理由を解決!

大腸内視鏡検査うけたくない4つの理由を解決!

大腸内視鏡検査は大切な検査であるとわかっているけど、なかなか検査を受けることに気が向きません。

大腸内視鏡検査をできればやりたくないと思う4つの理由があります。

4つの理由に看護師がアドバイス

エピソードを交えながら解決策をおつたえします。

大腸内視鏡検査を受けることに、悩んでいる方は必見です。

大腸内視鏡検査を受けたくない4つの理由

大腸内視鏡検査を受けたくない理由
  • はずかしい
  • 検査は痛そうだから
  • 下剤を飲むのがつらい
  • 前日からの食事制限がめんどう

わかっちゃいるけど…うけるのはちょっと…

検査をうけたくない理由がいろいろ聞こえてきますね。

主な理由は、肛門からファイバーを入れるので、はずかしい。

腸のなかにファイバーを入れるのでとっても痛そう。

腸をきれいにするためにたくさんの下剤を飲まなくてはいけないので大変。

食事制限がめんどう。ということでしょう。

この4つの理由について、一つずつお悩みを解決していきます。

はずかしい

大腸内視鏡検査は、大腸ファイバーを肛門から挿入して大腸のなかをみる検査です。

わかります。他人にお尻をみせるのは抵抗がありますね。

正確にはお尻の穴ですけど…

誰にも羞恥心はありますもんね。

女性ならなおさら。

女性ならば特に、看護師さんが配慮してくれます。

恥ずかしくないようにバスタオルなどで覆ってくれます。

また、生理中でも検査はできますので、看護師さんに伝えれば大丈夫ですよ。

医師や看護師はみなさんが思っているほど、なんとも思っていないのです。

毎日のお仕事ですし…

人間は便や尿やおならがでて当たり前と認識していますから…

だから恥ずかしがることは全然ないですよ。

悩んでいることがあったらどんどん相談してください。

検査着に着替え、お尻側に穴が開いている検査用パンツをはきます。

WOW!

わぉ

穴が開いているほうが後ろですよ!検査用パンツのはき方まちがえないでね!

このパンツ、大きくてスースーしてなんとも心もとない感覚の使い捨てパンツです。

汚れてしまったら、看護師さんが取り替えてくれるので大丈夫です。

安心してください。

ファイバー挿入直前に、医師が肛門部分にキシロカインゼリーを指で塗ります。

肛門にきゅっと力が入りがちですね。

息をスーッと吐いて、力を抜いていましょう。

リラックス~リラックス~

力まず力を抜いているのが、滞りなく、早く検査をおえる秘訣です。

ADVICE!

アドバイス

はずかしくないですよ! リラックス~リラックス~ 力まない力まない

痛み・痛そうで怖い

検査に伴う痛みについては、人によって感じ方が違うので一概には言えません。

また、大腸の長さや走行は、人によって全然違います。

みんなの顔がちがうように、大腸も人それぞれなのです。

大腸にも個性があるということですね。

腸は動いている臓器なので、日によっても走行がかわります。

医師はモニターをみながら大腸ファイバーをおしすすめるのですが、人によってはすんなり入ってしまう腸もあれば、入りにくい腸もあるのです。

途中、看護師さんが患者さんのお腹を押さえて、ファイバーが挿入しやすいようにアシストします。

お腹の手術を経験されている方は、癒着などがあるとファイバーが入りにくいことがありますね。

腸のなかに固いファイバーが押しすすめられていくのですから、大なり小なり痛みはあると思ってください。

大腸は長さが120~170㎝で、腸は蛇腹のように折りたたまれ、お腹を一周するように走行しています。

医師はファイバーの先端をひだに引っ掛けながら、腸をたぐり寄せてファイバーを腸の奥へおくへと押しすすめます。

とくに痛みを感じやすい箇所が4カ所あります。

ファイバーがすすむ時、痛みを感じやすい部分

まず肛門から入って、S状結腸のカーブ。

S状結腸から下行結腸に続くカーブです。

次に、左結腸曲(脾彎曲:ひわんきょく)の屈曲部分。

もう一カ所、右結腸曲(肝彎曲:かんわんきょく)の屈曲部分です。

最後に、回盲弁を超えて小腸(回腸)をのぞく時です。

ファイバーの先端はまがりますが、基本まっすぐな固いファイバーですから、腸が彎曲(わんきょく)したり屈曲している部分をすすんでいくことは難しい作業なのです。

カーブしている部分や屈曲している腸をのばしながらファイバーを進めるときに痛いですが、通ってしまえば痛みは和らぎます。

お産をした時の痛みに比べれば、なんていうことはありません。

我慢に耐えられる痛みですよ。

もう一つ痛みを感じるときがあります。

それは、医師が観察のために空気を入れて腸を膨らませたとき。

病変をさがすために欠かせないものですが、腸のなかに空気を入れることによって、お腹が張って苦しくなることがあります。

検査終了時に、医師が空気を抜きながらファイバーを抜いてくれますが、お腹が張って苦しいようなら、看護師さんに伝えましょう。

細い管を肛門にいれて、空気を抜いてくれますよ。

検査が終わったら、おならを我慢しないで出しましょう。

痛みや緊張をやわらげるために、ほとんどの病院で鎮静薬をつかっています。

気持ちを落ちつかせ、ウトウト、トローンと眠くなる静脈注射です。

そう、いうなれば酔って気持ちよくなってウトウトしている状態。

検査中、ぐっすり眠ってしまわれる方もありますが、ほとんどの方は、こちらが言っていることは理解できていますね。

お薬の効き方も人それぞれです。

気持ちよくなって、とんでもないことを口走る方もいます。(笑)

潜在意識がでちゃうのかな…夢みごちになるのですね。

鎮静薬ですが、注意しなくてはいけないことがあります。

鎮静薬を使った日は、自動車、バイク、自転車の運転はできませんので気をつけてください。

下剤を飲むのがつらい

腸のなかの便をすべて出して、きれいな腸にするために下剤を飲みます。

下剤は前日と検査当日の二日間です。

便が残っていると観察がしずらいので、病変を見落とすことになりかねません。

説明を守って下剤をしっかり飲みましょう。

当日飲むお薬は、水薬です。

おいしくない2リットルのお薬ですから、苦手な方は多いですね。

途中、吐き気がして飲めないという方もいました。

最近では、飲みやすいお薬に改善されています。

新しいお薬は、モビプレップというお薬です。

1袋を2リットルのお水に溶かし、1リットルを1時間かけてゆっくり飲みます。

途中、脱水を防ぐために水または湯を飲みます。

便の濁りが取れたなら、1リットルで終了です。

お薬1リットルとお湯なら飲めそうですね。

でも、きれいにならなければ、残りの1リットルを飲み進めます。

ただし透析をしている方は、腸内で吸収されず電解質のバランスを崩さないニフレックという従来のおくすりになります。

下剤を飲んで、トイレに行き、便をだすことを繰り返します。

多量のお薬を飲むことと、便をだしきることで、体温が下がって寒気をもよおす方もいます。

検査中もお尻がスースーしますし、検査着一枚ですからちょっと肌寒いです。

できれば大腸内視鏡検査は、真冬の寒い時よりも暖かな季節に予定するほうが体が楽ですね。

ADVICE!

アドバイス!

前日からの食事に気をつけること。下剤をしっかり飲むことは、検査をスムーズにするコツです。できれば暖かな季節に検査を受けるのがおすすめですよ。

前日からの食事制限

検査前の食事については、医療機関からの指示に従います。

必ず従ってください。

便秘の方は、2~3日前から食事制限となる場合があります。

食事制限は、確かにめんどうですね。

でも、食事を気をつけて医療機関からの指示に従うことで、排便がスムーズになり、下剤も少ない量で検査ができる状態になります。

スムーズに短時間に検査が行えることは、ご自分も楽ですよね。

ごま、海藻、こんにゃく、ごぼうなど消化の悪い食材は、腸のなかに残りやすいので検査前は気をつけましょう。

食物残差が腸のなかに残っていると、小さながんだったり、ポリープを見落とすことになりかねません。

腸のなかをしっかり診てもらうため、そしてスムーズに検査をすすめるために検査前の食事は重要なカギをにぎっています。

大腸内視鏡検査うけたくないを解決!まとめ

大変な検査のように思う大腸内視鏡検査ですが、少しのコツで意外とスムーズに検査を受けることができます。

内視鏡検査の看護師として多くの患者さんの検査介助につきました。

私自身も今までに3回検査を経験しています。

【がん検診のすすめ】大腸がんになる寸前だった私を救った大腸がん検診の中で、私が大腸内視鏡検査をすることになった経緯が書かれています。

ぜひこちらもお読みください。

日本人の2人に1人はがんになる時代です。筆者の経験から、がん検診の大切さを伝えます。

近年、大腸がんが増えています。

大腸内視鏡検査は、がんの早期発見には有効な検査です。

私の周りでは、従姉が大腸がんで亡くなりました。

がんが見つかったときには、もう手遅れでした。

もう少し早くに検査していたらと悔やまれてなりません。

ウンチの具合がよくない方は、消化器科を受診してください。

そして、必要があれば大腸検査を受けていただくことをおすすめします。

この記事で、大腸内視鏡検査について、少しでも不安やお悩みが解消されましたなら幸いです。

最後までおつきあいくださいましてありがとうございました。