ねっとり甘い干し芋の作り方―さつま芋も畑で手作り

ねっとり甘い干し芋の作り方

ようこそ“もめん”です。

昔懐かしい美味しい「干し芋」。

手作りしたいと思いました。

そのために、庭の畑でさつま芋をつくるところから始めました。

正真正銘の手づくりです。

無農薬・無添加の美味しい「干し芋」が出来上がりましたよ。

「さつま芋」作りから、「干し芋」作りまでをお話します。

懐かしい干し芋の味

時は、昭和30年代、世の中は高度成長期に向かい、人々の心は希望に燃えていました。

白黒テレビ・洗濯機・冷蔵庫は「三種の神器」といわれ、そのほかにも電気釜・トースターなど家庭にも電化製品が普及して、人々の生活は豊かになっていきます。

しかし、まだまだ人々の生活は慎ましやかでした。

昔のお話ですが、父の田舎はミカン農家でした。

年の瀬が近づくと、おじさんが箱いっぱいのミカンと野菜を軽トラックにのせてやってきます。

母の田舎からは、とち餅(とちの実を練りこんだ餅)、干しシイタケ、たくわん、干し柿、干し芋などが小包で届きました。

麻ひもが十字にかけられた茶紙にくるまれ、墨で住所が書かれた小包を開けるとき、宝箱を開けるようにワクワクしたものです。

そう、どちらもお歳暮です。

手作りの気持ちのこもったお歳暮。

昔の人は何でも手作りに励んだのですね。

手間と時間を惜しまず、季節を感じながら、手作りが生活の一部になっていたのです。

味噌、こんにゃく、豆腐、らっきょう、梅干し…

素朴な味が忘れられません。

今は、お金をだせば何でも買える時代だからこそ、あの頃の手作りの味が懐かしいし、貴重に思えるのかもしれませんね。

おばさんがつくって送ってくれた干し芋(芋切り干し)の素朴な味を思い出しながら、自分たちで作ってみることにしました。

さつま芋作り

「さつま芋」を自宅庭の畑で手作りするところから始めました。

選んだのは「紅はるか」というさつま芋です。

「紅はるか」は、しっとり系のさつま芋で、「干し芋」に一番適しているといわれています。

●植付期 5月~6月  ●収穫期 10月~11月

我が家では、6月に、つるとり用の親株苗(おやかぶなえ)を植えました。

栽培方法は以下の通りです。

【1】苗をポットから取り出し植え付けます。

【2】葉が7~8枚になるまで伸びたらつるの先端を切ります。

親株苗の葉が7~8枚になったら先端を切ります

【3】脇から出てくるつる(脇つる)を伸ばします。

【4】脇つるの葉が7~8枚になったら、その脇つるを切り取ります。10本くらい脇つるが取れます。

【5】切り取った脇つるを畑に植えます。根元の葉3~4枚分の茎を土の中に入れ、葉は地上に出します。

脇つるを畑に植えます。

【6】脇つるは、30cmほどの間隔をあけて、一定の深さになるように植えます。

【7】土に埋めた茎の節から発根してさつま芋がつきます。

【8】植え付けから約4か月(120日前後)で収穫です。

さつま芋を収穫

我が家では、11月23日に収穫を迎えました。

大小さまざまですが、なんと100個以上のさつま芋を収穫することができました。

美味しくいただくために、掘った後、泥を落として少しの間ねかしておきましょう。

POINT!

さつま芋は掘りたてよりも掘ってから2週間以上置いたほうが甘みが増します。

さつま芋は、収穫してから2週間以上置いたほうが、でんぷんが糖化してさつま芋の甘みが増すのです。

さつま芋を長期に保存する場合は、洗わないでさつま芋を一本ずつ新聞紙にくるみ、発泡スチロールの箱に横に並べて保存します。

干し芋作りに必要なもの

さつま芋が収穫できたので、いよいよ干し芋をつくりますよ。

用意するものは、さつま芋、蒸し器、干し網です。

  • さつま芋適量
  • 蒸し器
  • 干し網、または干しざる

干し芋の作り方

では、ここからは「干し芋」の作り方を説明しますね。

柔らかく美味しく仕上げるポイントがいくつかありますので、Point 欄は要チェックです。

【1】さつま芋を洗います。

【2】さつま芋の皮はむかないで、皮付きのまま蒸し器に並べます。

蒸し器でさつま芋を蒸します。

【3】蒸気が上がってきたら弱めの中火にして、1時間ゆっくりじっくり蒸し上げます。竹串かつまようじがス~と通れば蒸し上がりです。

POINT!

強火で一気に蒸さないで、時間をかけてじっくり蒸気を芋に含ませましょう。そうすることで柔らかな「干し芋」ができますよ。

ゆっくりじっくり蒸し上げます。

【4】蒸しあがったさつま芋は、熱いうちに皮をむきます。熱いうちなら、刃物をつかわなくてもスルッと皮が剥がれます。熱いので火傷には気をつけてください。

熱いうちにさつま芋の皮をむきます。

【5】皮がむけたら、輪切りでなく縦にカットします。1本を4~5等分くらいの厚さにカットしました。

POINT!

干すと縮みますので、厚みがあっても大丈夫です。

【6】干し網に、さつま芋が重ならないように並べて天日干しします。

干し網に並べて、さつま芋を干します。

【7】表面を裏返してまんべんなく日に当てます。夜間は家のなかに取り込みましょう。

【8】4日間干しました。完成です。

POINT!

干せば干すほど固くなります。お好みの硬さになるように干す日数を調整します。★★硬くなってしまったら、オーブントースターで温めると柔らかく美味しく召し上がれますよ。

ねっとり甘い干し芋の完成。

柔らかな甘い干し芋の完成です。

ねっとりしていて食感はいも羊羹のようです。

そのままでも充分に美味しく召し上がっていただけますが、オーブントースターで3分温めますと美味しさがさらにアップします。

硬くなった干し芋も、オーブントースターで温めると柔らかくなり、香ばしく美味しくなりますよ。

ぜひお試しください。

まとめ

畑での「さつま芋」作りから、「干し芋」作りまでをお話しました。

畑で「さつま芋」をつくり、収穫したさつま芋で「干し芋」を作ってみて、あらためて昔の人の知恵と手仕事に対して、尊敬の念でいっぱいになりました。

そして、四季折々での昔の人の知恵と手仕事は、憧れでもあります。

作ってみて分かりました!

手作りの味は格別なんですよね。

お日さまの恵みをいっぱい受けて、ねっとり柔らかく甘い「干し芋」ができ上がりました。

このお味、家族には大好評。

干し芋に適したさつま芋さえあれば「干し芋つくり」は簡単にできます。

あなたもぜひ素朴な味をお楽しみください。

我が家では、来年もさつま芋作りからはじめようと思います。

そして今年は「ドライキウイフルーツ」も作ってみました。ドライキウイフルーツも簡単にできます。

記事にまとめましたので、ご興味のある方はどうぞご覧ください。

ドライキウイフルーツをつくってみて分かったことをまとめました。思ったよりも簡単にできます。出来立てのドライキウイフルーツはすっぱいですが、2~3日たつと程よい甘さに変わります。

最後までおつき合いいただきましてありがとうございました。