
ようこそ“もめん”です。
今日は摘便についてお話します。
摘便てなに?
摘便は、患者さんの肛門から指を入れて、便をかき出す処置です。
便にまみれるお仕事ですが、とても価値ある奥の深いお仕事です。
患者さんの言葉
「汚い事させてすまないね…悪いね…ごめんね。」
摘便処置を受けられる患者さんのほとんどが発する言葉です。
申し訳ないという気持ちと、自分で排泄できないことを情けなくおもう気持ちがつたわります。
便は、自力で出せた方がいいに決まっていますからね。
便がでないということは、すごく苦しいんです。
不思議なもので、出そうと思えば思うほど出ないという悪循環におちいることがあるのです。
そんなときの救世主。
看護師さんのゴールドフィンガー!
ゴールドフィンガー
摘便がじょうずな人をゴールドフィンガーの持ち主といいます。
ゴールドフィンガー。黄金の指ともいわれます。
確かに患者さんの苦痛を取り去る黄金の指ですね。
私は、消化器科に勤務していたので、摘便をおこなうことが多かったです。
指が短いから…と言って逃げてしまう看護師さんもいましたけど…
つまっていた便が出て、楽になった…スッキリした…という言葉を患者さんから聞くと、大変だけどやってよかったと感じます。
産みの苦しみを一緒に克服したという連帯感でしょうか。笑
患者さんのほっとした笑顔は、便まみれ、夏は汗まみれでがんばった私へのご褒美のように感じるのです。
私は、摘便処置のじょうずへたは関係なく、看護師さんの指はみんなゴールドフィンガーだと思っています。
だって、ひとが汚いと思うことでも、危険だと思うことでもやってのけるのですから。
こころもゴールドハート!
ゴールドフィンガーを持つ看護師さんには、驚くべき習性があります。
それは食事中でも、便の話ができちゃうこと。笑
毎日便と格闘していると、便のはなしも話題にのぼるのです。
汚いものという意識がなくなり、便は出さなくてはならないものになるのですね。
摘便は、肛門に指をいれて便をかき出す行為ですが、注意すべきことがあります。
次に、摘便で気をつけなくてはならないことをお話します。
摘便で気をつけること
- 腸の粘膜損傷や腸管穿孔
- 血圧低下や気分不快
- 声がけ
- 羞恥心に配慮
無理は禁物。
腸の粘膜を傷つけたり、腸に穴が開かないように気をつけておこないます。
特に高齢者では、腸の粘膜が薄くなっていますから慎重に行いましょう。
血圧低下や気分不快には気をつけること。
大量に便を排出したとき、迷走神経反射をおこして、血圧が下がることがあります。
*迷走神経反射とは、精神的ストレス、疼痛、排せつなどによる刺激で、脳神経の一つである迷走神経が必要以上に働き、血圧や心拍数が下がり、血液が脳にいきわたらなくなる状態。
私が担当した高齢の患者さんで、顔色が白くなり、血圧が下がった患者さんがいました。
ただ、血圧低下は一過性で、足を高くしたりして、すぐに回復しましたが、一気に大量の便が排出されると血圧が下がる場合があることを体験しました。
患者さんの状態をみながら行ってください。
声をかけながら行っていきます。
「力を抜いていてくださいね」「大丈夫ですか」「痛くないですか」「出てきてますよ」などなど
力むことができる患者さんには、タイミングをみて、おなかに力を入れてもらうようにもします。
そうすることで自然に便がでてくることもあります。
苦しい…辛い…情けない…と患者さんは思っています。
患者さんが、安心できる声がけが大切ですね。
下半身の露出が大きいので、羞恥心や寒さへの配慮も必要です。
もちろん、硬い便なのか泥状便なのか、どんな性状の便がどれだけの量でたのかもしっかり観察しますよ。
摘便お役立ちアドバイス
摘便の方法や準備するものは、各医療機関できめられていると思いますが、ちょこっとアドバイス。
グローブ!
WOW
手袋を2枚重ねてはめよう
手袋に便がいっぱい付着し、手袋はすぐに汚れてしまいます。
あらかじめ手袋を2枚重ねて装着しておけば、汚れた手袋をはずしてもすぐに処置ができます。
そして、汚れた手であたりを汚すことなくスムーズに処置ができますね。
トイレットペーパー!
WOW
トイレットペーパーの上に便をかき出します!
トイレットペーパーを適当な長さに切っておきます。
便は、トイレットペーパーの上にかき出すと、そのままトイレに流すことができて、かたずけが楽ちんですよ。
トイレットペーパーを活用しましょう。
また、ウエスをお湯で濡らしてビニールに入れて用意しておけば、患者さんの汚れたお尻をふくこともできますね。
摘便は、看護師のゴールドフィンガー:まとめ
いかがでしたか?
摘便は、看護師さんのゴールドフィンガー!
敵便のときの注意事項やアドバイスについてもお話させていただきました。
摘便は、患者さんとの距離がぐっと近くなる処置です。
ゴールドフィンガーとゴールドハートで、日々の看護を乗り切ってください。
一方、私たちは、摘便のお世話にならないように、日ごろからスムーズな排便習慣をつくっておきたいですね。
最後までおつきあいいただきましてありがとうございました。