季節を楽しむ-干し柿つくり

季節を楽しむ-干し柿つくり

ようこそ“もめん”です。

秋!

山里では柿の実が色づき、山並みのグリーンに柿の実のオレンジ色が映えます。

しばらくすると、家々の軒先には、きれいに皮をむかれ、へたのところを紐でいわえられたオレンジ色の柿が整然と並ぶのです。

それは山里の原風景!

その光景にノスタルジックを感じるとともに、干し柿の美味しさが脳裏をかけめぐります。

手づくりの干し柿の味は格別なんです。

お日さまの光をいっぱい浴びた柿は、渋みがすっかり抜けて果肉が蜜に変わり、それはそれは甘くなるのです。

さあ、あなたも干し柿づくりに挑戦しませんか。

今日は、干し柿のつくり方のお話です。

干し柿は、今年も最高のできあがり

干し柿の出来上がり

甘み成分が結晶化して白い粉がふいています。

もっちりねっとりした食感。

お日さまの恵みがつくり上げた自然の甘みが、口いっぱいに広がります。

美味しい干し柿は、柿選びが重要!選ぶ時の3つのポイント

美味しい干し柿をつくるには、柿選びから始まります。

選ぶ時の3つのポイントをお話しましょう。

1.渋柿をつかう

干し柿には渋みが強くて生では食べられない渋柿が使われることが多いです。

渋柿には渋みの原因となる可溶性タンニンが多く含まれていますが、乾燥させて干し柿にすると不溶性タンニンに変化し、食べても渋みを感じなくなります。

また、日に干すことで、水分が抜けて糖度が増し甘くなるのです。

2.適度な大きさの柿を選ぶ

西条柿

日に干して乾燥させると水分が抜けて柿自体が縮みます。

だいたい3割くらいは小さくなってしまいます。

あまり小さな柿を選ぶと出来上がりがさらに小さくなってしまいますので、程々の大きさの柿を選んでください。

今年、私は西条柿でつくりました。

西条柿の長さは8~10cm。柿としては大型。果肉はきめ細やかで食感も柔らかく仕上がります。

3.Tの字型に枝がついている柿を選ぶと作業しやすい

風当たりがよくお日さまがまんべんなく当たるように、柿はヘタの上をひもでいわえ、つるして干します。

そのため、紐がしばりやすいように、枝がTの字型に切りそろえられている柿を選んだ方が作業しやすくなります。

干し柿用の柿は、だいたい枝がTの字に切りそろえられて売られていますが、もしも枝がついていない場合は、竹串や爪楊枝などをへたの下に挿して紐でしばってください。

紐のしばり方

カビさせない3つのコツ

せっかく手作りするのですから、カビてしまった…とがっかりすることがないようにしたいものです。

カビさせないようにするには3つのコツがあります。

1.熱湯にくぐらせる

皮をむいて、紐でいわえた柿を熱湯にくぐらせます。

鍋にお湯を沸かし、グラグラと沸いたお湯に15秒くらい、へたも枝も柿全体を浸します。

いわえた紐をもってやれば作業が楽にできますよ。

熱湯消毒というやつですね。

2.焼酎または洋酒などにつける

熱湯をくぐらせた柿を、さらに焼酎または洋酒にどぼーんと浸します。

殺菌効果を得るためです。

広口のマグカップなどに、焼酎または洋酒を半分くらい入れ、柿を一つずつ浸していくとやりやすいでしょう。

こちらも、実の部分だけでなく、へたや枝も柿全体にかかるようにしてください。

梅酒でも大丈夫です。

今年は、自家製の梅酒に浸してから干してみましたが、効果抜群。

味も良く、実の表面に粉がつきました。

きっと梅酒のなかの氷砂糖の成分が、甘み成分の結晶化に一役買ったのではないかと推測しています。

3.雨に当てない

もう一つ重要なのが、雨に当てないということです。

雨が降りそうなときは屋内にとり込むか、雨が当たらない場所に移動させましょう。

雨はカビの大敵です。

干し柿のつくり方

では、つくり方を説明しましょう。

必要なもの

今回は、柿20個に対しての材料と分量です。

柿の量に応じて材料をご用意ください。

  • 柿  20個
  • ひも 50㎝ ×10本
  • 焼酎または洋酒  適宜
  • 熱湯

つくり方

【1】柿の皮をむく

丁寧に皮をむきましょう。

柿の皮をむき、紐でいわえます

【2】紐でいわえる

紐の両端に一個ずつ柿をいわえます。

T字型枝に紐をひっかけるようにして結んでいきます。

【3】熱湯にくぐらせる

深鍋に熱湯を沸かし、柿全体を熱湯にくぐらせます。

熱湯にくぐらせます

【4】焼酎または洋酒に浸す

柿全体を、焼酎または洋酒に浸します。

【5】日光に干す

竿に紐をひっかけて、柿がかさならないように干しましょう。

日光に干します

干す日数は、柿の大きさで変わります。

だいたい10~14日くらいが目安です。

今回は大きめの西条柿を使用しましたので、14日間干しました。

【6】軽くもむ

5日くらい干したら、実を軽くもんでいきます。

清潔な手袋をはめて、適度な力でもんでください。

柿の様子を見ながら、こちらの作業を一日一回行いましょう。

「おいしくなぁ~れ」のおまじないの言葉も添えて。

虫が気になる方は

柿を干している間に虫が飛んできて、柿につくことがあります。

どうしても気になる方は、防虫ネットを使用しましょう。

市販の防虫ネットを、柿を覆うように洗濯ばさみで止める方法は簡単にできるのでおすすめです。

簡単な割に防虫効果は大です。

防虫ネットで覆います

もう一つ虫から干し柿を守るには、干し柿専用の干し網を使用する方法もあります。

干し柿専用干し網は、箱型になっていて市販もされているようですが、私は、家にある材料を使って箱型の干し柿専用干し網を手づくりしました。

手づくりの干し柿用防虫ネット

箱型の干し柿専用干し網のつくり方については、別の記事でご紹介させていただきます。

干し柿用の干し網を手づくりしました。使わなくなった針金ハンガーと100円ショップで購入したネット袋でつくったので低コスト。つるした柿の下側から網をかぶせる仕様で、網の取り外しが簡単にできます。

まとめ:季節を楽しむ-干し柿つくり

今日は、美味しい干し柿をつくるコツをお話させていただきました。

こちらの記事を参考にして、美味しい干し柿をつくっていただけたら幸いです。

干し柿をつくることによって、作る楽しみ、でき上がりを待つ楽しみ、味わう楽しみ、秋を感じる喜び、柿との出会い、干し柿に関する語らい、自然の恵みに感謝する喜びなど、たくさんの楽しみや喜び、そして幸せを味わうことができるでしょう。

本日も最後までおつき合いくださいましてありがとうございました。

次回もお楽しみに♪