きめこみパッチワークで色あそび

きめこみパッチワークで色あそび

ようこそ“もめん”です。

パッチワークは針やミシンで布を縫いあわせて作品をつくりますが、きめこみパッチワークは、発泡スチロールのボードにさまざまな布をきめこんでいく手法で、針やミシンをつかわなくても作品をつくることができます。

そしてきめこみパッチワークも、パッチワークと同じようにきめこむ布を並び変えることで、きれいなパターンを表現したり、それぞれの布が持つ色の共鳴によって思いがけない配色の作品をつくることが可能です。

私も小さな布を組み合わせて、配色を楽しんでみようと思い、四角の布をボードにきめこんで小さな額入りボードを作成しました。

こちらの作品は小さなサイズで、きめこむ布はすべて四角形なのできめこみやすく、2~3日でできてしまいます。

つくり方を詳しくご紹介します。

あなただけの配色で、世界に一つだけの作品つくりに挑戦してみませんか。

出来上がり作品

すべての布をきめこみました

布は、すべて家にあるハギレを利用しました。

今回は、濃い色の布をつかって独特の配色にしてみました。

正四角形のパーツは、15枚の異なる布で構成しています。

真ん中と隅には赤い布を配置して引き締めました。

必要なもの

用意するものをまとめました。

  • 貼れるボード
  • カッター
  • 厚紙
  • 方眼紙
  • 両面テープ
  • チャコペン
  • 目打ち
  • ハサミ

◆貼れるボード

発泡スチロールの片面が粘着シートになっている厚さ5mmのボードを用意しましょう。

これまで100円ショップダイソーの貼れるボードを購入していましたが、2022年末から欠品が続いています。

韓国製でしたから、原材料費の高騰や円安が影響しているのでしょうか。

店員さんに伺ってみますと、ダイソーの配送センターにも在庫がなく、いつ入荷するのかお答えできない状態だそうです。

そんな訳で今回は、文房具店で購入したボードを使用しました。

文房具店で購入したボード

同様のボードは、ホームセンターや文房具店で購入できます。

日本製でお値段も少々高いですが品質が良いように感じます。

◆額

額の色や大きさも作品の一部です。

額もいれてトータルでどんな作品をつくるか考えましょう。

今回は、12.7cm×17.8cm白色のフレームを選びました。

つくり方

つくり方を説明します。

【1】貼れるボードを作品の大きさにカットします

今回は、12.7cm×17.8cmの大きさにカッターナイフでカットしました。

ボードをカットし、方眼紙にデザインを書きます

【2】方眼紙にデザインを書きます

今回の作品のように、同じ大きさのマス目が並ぶようなデザインでは、目盛りがわかりやすい方眼紙に書くと便利です。

下のデザイン寸法で罫線を引いていきます。

デザイン図寸法

【3】貼れるボードに切れ込みをいれます

貼れるボードとデザインを書いた方眼紙をぴったりかさねます。

ボードと方眼紙がずれて動いてしまわないように、真ん中と隅と他何カ所かを両面テープで止めておきましょう。

両面テープは罫線にかからないように貼ってください。

発泡スチロールのボードに切れ込みが入るように、方眼紙の上からカッターで、罫線をカットしていきます。

ボードに方眼紙をのせて切れ込みをいれます

カッターは、発泡スチロールを切るようにゆっくりと動かしてください。

すべて切れ込みが入ったら、方眼紙は取りのぞいておきましょう。

【4】型紙をつくります

型紙をつくります

厚紙を用意し、型紙を作成します。

上の図の寸法で4枚の型紙をつくりましょう。

今回の作品のように同じ大きさのパーツが並ぶ場合は、型紙をつくって布に印をつけていくと便利です。

型紙はすべて縫いしろ(きめこむ部分)こみの大きさにしてあります。

【5】布を裁断します

布に型紙をのせてチャコペンで印をつけます

布に型紙をのせてチャコペンで印をつけていきます。

その時、型紙をのせながら柄の具合やチェックの色合いを考えていきましょう。

チャコペンの印の上をハサミでカットします。

3.4cm×3.4cm 15枚

3.4cm×2cm 10枚

3.4cm×1.6cm 6枚

2cm×1.6cm 4枚

それぞれの大きさの布を枚数分用意します。

きめこむ前に、切りそろえた布をデザイン通りに並べてみて配色を確かめましょう。

*布の配置部分がわからなくならないように、私は写メをとっておきました。

【6】布をきめこみます

きめこむ布が用意できたら、いよいよボードにきめこんでいきます。

綺麗にきめこむために、もうひと手間。

ボードの切れ込み部分を目打ちでなぞり、溝を深くはっきりとさせておきましょう。

では、布をきめ込んでいきます。

どこからきめこんでいっても良いのですが、今回の作品は、同じパターンが規則正しく並ぶデザインなので、バランスを考慮して私は中心部分からきめこんでいきました。

きめこみたい部分の上紙を、目打ちをつかってはがし、接着面を出します。

粘着シート面の紙をはがします

接着面に布をのせ、目打ちをつかってきめ込んでいきます。

布をきめこみます

直線部分をきめこむ時は、目打ちを寝かせた角度で動かすとよいでしょう。

特に厚い布をきめこむ時など、角がきめこみにくい場合は、角のはみだした布を少しだけ斜めにカットしてあげると角が綺麗にできあがります。

【7】きめこみ完成

すべての布をきめこみ終わりました。

出来上がり作品額入り

用意した額にいれましょう。

小さな布の魅力

小さなはぎれも可愛らしく愛おしいものです。

小さな切れ端の布にも活躍の場をつくってあげたいなぁと常々おもっています。

特に柄物やチェック柄の布は、切りとる部分によって表情が変わりますので、それらの組み合わせ方によっては、さらに色んな雰囲気を楽しむことができます。

小さな力がたくさん集まると大きな力になるのです。

パッチワークはヨーロッパが発祥の文化です。

布が貴重な時代、小さな布をつなぎ合わせて一枚生地をつくりました。

小さな布をつないだりアップリケをしたりするパッチワークは、開拓時代のアメリカでも盛んに行われ、さまざまな布が豊富につくられるようになると、芸術的なパッチワークやキルト作品がつくられるようになり、アメリカでは1970年代に伝統工芸として評価されるようになりました。

生活のために生まれたパッチワークですが、布を組み合わせる魅力に多くの人たちが魅せられたことが分かるような気がします。

まとめ:きめこみパッチワークで色あそび

今回パッチワークの考え方をとりいれて、きめこみパッチワークの額入りボードを作成しました。

小さな布を組み合わせて配色を考えるのはとても楽しい作業でした。

色や柄や素材が異なる布を並べてみると、それぞれの色や柄がお互いを引き立て合って、深みのある作品になったと思います。

パッチワークには、布の配置のしかたによってさまざまなパターンがあります。

今度は、パッチワークのパターンを参考にして、きめこみパッチワークのボードをつくってみるのも楽しいかもと考えています。

本日も最後までおつき合いくださいましてありがとうございました。

次回もお楽しみに♪