ようこそ“もめん”です。
夫と金魚二匹とで、穏やかにそして静かに暮らしているもめんです。
将来、夫と私のどちらかが一人になる可能性は否定できません。
ひとは、いつかは一人で生活をすることになるでしょう。
こども達は大人になり、それぞれの家族を持ち、それぞれ守るべきひとがいます。
だから、こども達のお荷物にならないように、ひとりになることへの準備をしておかないといけません。
ひとりになっても、へこたれないように、おひとり様への覚悟を決めることとしました。
おひとり様への道
もしもこの家に独りになったら…と考えることが最近増えました。
すでに、ひとり暮らしをされている方々からは、何をめめしいことを…とお叱りを受けそうですね。
独りになったら、やりたいことをやって楽しめば良いじゃないの…という声が聞こえてきそうです。
こころでは理解できるのですが、そんなに簡単に割り切って、前を向くことができるでしょうか。
結婚して46年。
親といる時間より、もっともっと長い時間を夫と一緒にすごしてきました。
お互いの弱いところを補いあって、二人で一人前、二人三脚で歩んできました。
私は夫に守られて生きてきたのです。
一般的に、夫婦は空気のような存在といわれます。
空気のようになくてはならないものですが、普段はあまり意識しない当たり前の存在という意味でしょうか…
確かに例えとしては、的を得ていますね。
でも、私は、空気よりもっと大切なものと考えています。
夫(妻)は、この世にたった一人しかいない、かけがえのない人です。
空気は補うことができますが、夫(妻)は、補いようがないものだからです。
夫と私、どちらが先に自然に帰るかはわかりませんが、どちらかが一人になることを考える年齢になりました。
いつかは別れが来るでしょう。
お互いに、おひとり様になる覚悟を持つべき時がやってきたのです。
ひとり暮らしは増えている
未婚率の増加や、核家族化の影響をうけて、単独世帯(世帯主が一人の世帯)が増えています。
2040年には、単独世帯の割合は約40%に達すると総務省は予測しています。
厚生労働省が調査した、2019年6月6日現在の65歳以上の高齢者がいる世帯の内訳をみてみましょう。
円グラフをみてください。
65歳以上の高齢者がいる世帯は、2558万4000世帯。
全国の総世帯総数は、5178万5000世帯ですから、65歳以上の高齢者がいる世帯は、全世帯の49.4%にのぼります。
約半分は高齢者のいる世帯ということになりますね。
65歳以上の高齢者がいる世帯のうち、夫婦のみで生活している世帯は、827万世帯。
65歳以上の者のいる世帯の32.3%で最も多いです。
次に多いのが、単独世帯で736万9000世帯(28.8%)。
すでに、おひとり暮らしの高齢者が多くいらっしゃることがわかります。
データからもわかるように、ますますこれから一人暮らしの高齢者が増えていくのです。
ずっと自分の家で暮らしたい
私たちは、ひとりになっても、住みなれたこの家でずっと暮らしたいと考えています。
多くの方が、私たちと同じようにご自分の家にいたいとおっしゃいます。
ぎりぎりまでやっぱり自分の家が良いのです。
核家族で暮らしてきた私たちの年代や、子供たちの世代のひとは、昔のような大家族での暮らしはできないだろうし、核家族用の住宅事情にも無理があるのです。
子供たちには世話をかけたくないし、自分自身も気兼ねなく暮らしたいからおひとり様になるつもりです。
ぎりぎりまで頑張るつもりです。
昔こんなことがありました。
認知症がすすんで、家族の負担が大きくなり、リハビリも兼ねて入院することになった患者さんがいました。
消灯時間をすぎて、患者さんたちが寝静まったころ、薄暗い病棟の廊下を手すりにつかまりながらゆっくり歩いている男性がいました。
「どうしましたか?トイレですか?」と聞くと
「明日、仕事があるから、どうしても帰らなくてはいけない。」と言うのです。
「もう最終のバスは行ってしまったし、今日は泊ってきてくださいとおうちの方が言っていますよ。」と伝え、ベットに横になっていただきました。
転倒してはいけないので、ベット柵をして、ベット柵が外れないように、ベット柵どうしを介助ひもで縛りました。
これで帰るのをあきらめてくれたかなぁ…と思ったのですけど、それはまちがいでした。
いつの間にかベットから抜け出して、彼はまた廊下を歩いています。
ええぇ…なんと…
柵どうしを縛っておいた介助ひもをきれいにほどき、ご丁寧に、端からくるくる巻いて床頭台の上に並べてあります。
彼はどうしても家に帰りたかったのですね。
殺風景な病院のベットで生活するのは嫌だったんですね。
誰も自分のお家がいいのですよ。
自分のことは自分でできること
ぎりぎりまで自分の家で一人で暮らすのであれば、自分のことは自分でできることが第一条件でしょうね。
介助が必要な病気になることは避けなければいけません。
ましてや前述の男性のように痴呆症になるわけにはいきませんね。
一人で生活するのは危険であると周りの人に判断されたら、一人、わが家で暮らすことはできないのですから…
今までは、二人三脚の歩みでしたが、ひとりになったら一人二脚。
何をするにも、どこへ行くのも自分の足で。
自分のことは自分でできなければ、一人で生きていけません。
こどもに頼らず、こども達に心配をかけずに自立して生きていきましょう。
身軽でいること
もう一つ大切なことがあります。
それは断捨離です。
身の回りの物を整理して、身軽になっておくことです。
自分のものは自分で処分しましょう。
ひとり暮らしをしていたお義父さんが亡くなられたとき、遺品整理に何日もかかって大変だったと知り合いの女性が嘆いていました。
彼女が住む家には不釣合いな大きな仏壇を引き取るか引き取らないかで、ご夫婦でもめたそうです。
お嫁さんの立場からの切実な思いですね。
親と子、まったく別々の生活が存在するということを再認識した発言でした。
こども達が悩まないように配慮しておくことも親の役目なのでしょう。
力がなくなる前に、元気なうちに、スッキリさせましょう。
そして、もうこれ以上物は増やさないようにしましょう。
すきなものだけに囲まれて、ひとりの時間を楽しみたいものです。
おひとり様への覚悟まとめ
高齢者が集まると、きまって、健康のことと老後をどう生きていくかということが話題にのぼります。
私の周りにも、おひとり様が増えてきています。
死は確実にやってくるものです。
ひとりになることは、避けられない定め。
ひとりになることへの不安は尽きないですが、覚悟を決めて、ひとりで暮らすノウハウを学んでいきましょう。
ずっと自分の家で暮らしていくために、健康に気をつけて、自分のことは自分でできるようにすること。
断捨離して、身の回りをスッキリさせておくことです。
やっておかなくてはいけないことが沢山ありますよ。
最後までお読みいただきましてありがとうございます。