温室農家家族の奮闘記③草たちと向き合う

温室農家家族の奮闘記③草たちと向き合う

ようこそ“もめん”です。

前回のブログ『温室農家家族の奮闘記②耕作放棄地にはさせないぞ!』でお話させていただいたように、ほったらかしになっていた140坪の土地を畑によみがえらせることにしました。

畑をつくり作物を育てるということは、必然的に草たちと向き合うことになります。

私の人生において、こんなにも草たちと向き合うことは今までにありませんでした。

農業新人一年生もめんは、どのように草たちと向き合うことに努めたのかをお話します。

草だらけの土地を畑に変える

ほったらかしになっていた140坪の土地は、一面に草が生い茂っていました。

この土地に根を張って生きていた草たちには申し訳ないけれど、畑にするためには整地しなくてはなりません。

まずは、背丈が伸び大きく根を張った草たちを抜き取りました。

全部の草たちを抜き取るには多くの時間と労力が必要になるため、一度耕運機で耕して草たちを取り除くことにしました。

耕運機で耕しました

草たちの旺盛な生命力

5月、私たち人間にとっても植物たちにとってもすごしやすい季節です。

そのため植物たちは葉の色が鮮やかになり、成長のスピードが目にみえて早くなります。

もちろん畑の草たちも同様にぐんぐん元気になっていき、畑一面に、草たちの緑のじゅうたんが広がります。

この頃から草取り作業に費やす時間が増えていきます。

そして6月、梅雨の時期を迎え、雨水を得た草たちの旺盛な生命力に脱帽せずにはいられません。

草たちの成長スピードは驚くほど速く、繁殖力も旺盛であっという間に作物を覆いつくします。

草たちも懸命に生きているんだなぁ…と感心させられますが、良い作物をつくるためには作物に影響のある草たちを取りのぞきます。

除草剤はつかわない

今回、畑をつくる際に決めたことがあります。

それは「除草剤をつかわない」ということです。

農家の人にとって、除草剤はなくてはならないものになっているようです。

草が生えてきたら除草剤をかけて枯らす。

農家の人たちの間では害虫発生を防ぐために除草剤をまくことが決まりごとになっているようです。

近年、除草剤を使われる方が増えていますね。

お茶畑の周りや温室の周り、畑の土手や地域の運動場,、さらにはお隣さんの庭にまで除草剤がかけられ、草たちが茶色に変色しています。

世界中の国々で除草剤が使われており、除草剤の市場規模は2024年に321億8000万米ドルと推定され、2029年までに433億5000万米ドルに達すると、業界の市場調査レポートを提供するグローバル企業Modor Intelligenceは予測しています。

近年の除草剤は、使用方法を守れば人体には無害であり、手間いらずで簡単に除草できるというイメージが強いです。

そのため使用する人も増えているのでしょう。

温室農家では商品となる野菜を育てるために、土壌消毒剤や害虫駆除剤などの薬剤を使用します。

そして、手っ取り早く労力をつかわないで農地の管理をするために除草剤を使用します。

それらの薬剤に頼らなければならないのが現実です。

もしも薬剤を使用しなくてもできるならそれに越したことはないのです。

除草剤については、使わなくても草の管理はできるのではないかと考えています。

できるだけ薬剤の使用を少なくしたいという願いから私たちは、除草剤に頼らずに草たちと向き合い作物を育てることにしました。

草たちにも良い部分はあるのではないか

草=悪者という考えが持たれがちですが、作物の生育に影響を及ぼさない草たちは、生えていても問題になることはないと考えています。

近頃の夏は、40度を超えるような猛暑の日が多く、地面の温度もビックリするくらいに熱くなります。

程々の草は、痛いほどの強い直射日光が土にあたるのを遮り、土の温度が高くなりすぎるのを防いでくれます。

また、草の根が張ることによって土壌をふかふかにしてくれて、さまざまな微生物が生きていくのを助けていると考えています。

作物に影響を及ぼす草たちは抜き、そうでない草たちは残しておいて利用させていただく、草たちとよい関係を築けたらと思います。

便利な草とり器具

草とり仕事はルーチン化します。

畑に行った際、必ず気になる部分の草を抜くようにしています。

一気に草とりをしようとするからとても大変な作業になってしまうのです。

ためないことがコツです。

毎回コツコツ。

作物の状態をみながらとか、水やりの待ち時間にも手を動かすことができます。

今日はこの部分を重点的に草とりをすると決めておこなっても良いでしょう。

草とりには草とり用の器具を使います。

短い草とり器具のほかに、立った状態で使用できる伸縮式の草取り器具があると便利です。

まとめ:温室農家家族の奮闘記③草たちと向き合う

ほったらかしになっていた草だらけの土地を、2月から少しずつ草を取りのぞいて畑にし5月に作物を植えました。

今も草たちと向き合う日々です。

草とりをルーチンにしたことで、作物(パッションフルーツ、レモン、落花生、かぼちゃ、さつま芋)も元気にしています。

パッションフルーツ
       パッションフルーツ
落花生
       落花生

気がつくと畑の場所によって生える草がちがうのです。

いろんな草たちがいて面白く、楽しみながら草とりをしております。

参考文献:除草剤市場規模と除草剤株式分析-成長傾向と成長傾向予測(Mordor Intelligence)

本日も最後までおつき合いくださいましてありがとうございました。

次回もお楽しみに♪

『温室農家家族の奮闘記②耕作放棄地にはさせないぞ!』を合わせて読んでいただけると幸いです。

耕作放棄地になりかかっていた土地に手を加え、再生を試みたお話です。高齢のため手をかけられなくなった問題だらけの140坪の土地。もう一度農作物をつくることができるだろうか。再生一年目は試行錯誤でとりあえずやってみることに…温室農家家族の奮闘記②です。